ワクチンの普及により、日本では狂犬病は62年前から出ていません。
当院でもみたこともありません。
でも狂犬病の犬に咬まれると、直後に治療しないと、100%の人が死んでしまう病気です。東南アジアへ旅行した人が犬に咬まれ、帰国後しばらくして死亡する、という報道が時々あります。
日本で発症していないという油断のためか、予防される方は滋賀県だけでなく、全国的に毎年減り続けています。当院でも院内での注射(個別注射)は2500頭以上ありましたが、2019年は1700頭位に減っています。
1年間に世界で約55000人が亡くなっている病気です。
集合注射はやがてなくなるでしょうから、動物病院(長浜保健所管内には8件あります)で、法律に従って予防しましょう。
卵巣のう腫とは、卵巣に水がたまる病気です。子宮蓄膿症の手術では、妊娠末期の子宮の1.5倍以上のものもたまにありましたが、卵巣でここまで大きいのは初めてです。
体重24㎏の中型犬(15才)で、摘出した卵巣は6㎏もありました。不妊手術をしていれば、年2回の発情がなくなる他に、卵巣・子宮の病気や乳ガンを予防できます。生後5~6ヶ月で不妊手術をしましょう。
写真は、大きな左右の卵巣と子宮(蓄膿症)です。
フィラリア症とは、蚊に血を吸われて肺動脈・心臓内に虫が入ってしまう病気です。
開院当初は、フィラリアの犬だらけでした。
ベナケーバといって血尿を出してすぐに亡くなってしまう仔もいます。
頚静脈からブラシなどを入れて心臓内の虫をとる手術もよくあり、週2回続いたこともありました。
20年位前からミクロフィラリア(フィラリアの仔虫)のいる犬はあまりみなくなり、ベナケーバの手術も7年前を最後になくなりました。
しかし、抗原検査をするとフィラリア親虫のいる犬は今でもたまにいます。
おそらく野生の犬科動物の血を吸った蚊に吸血されたのでしょう。
予防薬の普及で激減したとはいえ、まだまだフィラリア症はなくなっていません。
年に1回の注射や月1回の飲み薬で予防しましょう。